キャッシングの総量規制とは?消費者金融でいくらまで借りられるの?
すでにキャッシングを利用している方が、他社に申込みをして
「どこの返済も遅れていないのに審査が通らない…」
「安定した収入があるのに断られた…」
「少額しか申込みしていないのに、借りられなかった…」
などの経験をしたことありませんか?
審査に通らない原因の一つは「総量規制」のせいかもしれません!
そこで、今回は「お金を借りるルール」について知ってもらうために、当社の現役社員(貸金業務取扱主任者)が詳しくお話ししていきます。
総量規制とは?
「借り過ぎ」「貸し過ぎ」を防止するためにできたルール
過去に、借金が膨らみ過ぎて(多重債務)自己破産に追い込まれる人が増加してしまい、深刻な社会問題になりました。これらを防止するため、2010年6月に「改正貸金業法」が完全施行され「総量規制」という新しいルールが導入されました。
総量規制とは「借り過ぎ」「貸し過ぎ」を防ぐために「個人の借入総額」を「年収の3分の1以下に制限する」というルールです。貸金業法上、借入総額が年収の3分の1以下の場合を「個人の返済能力を超えない範囲」としています。
総量規制を導入する前後の自己破産件数を年度毎で見てみると、2003年の251,800件をピークに徐々に減少し、改正貸金業法の完全施行後の2010年には131,370件、2013年以降は7万件~8万件の間で推移しているので、総量規制の導入効果はそれなりにあるといえます。
総量規制の対象は「貸金業者」
消費者金融などの「貸金業者」からの借入れが、総量規制の対象になります。
貸金業者の規模は関係ありません。
財務局または都道府県に登録されているすべての貸金業者が、総量規制の対象となります。
金融庁の「登録貸金業者情報検索」で最新情報を確認することもできます。
総量規制内の上限額を知るためには
総量規制に抵触していないかを知るには、年収がどれだけあるのかを把握する必要があります。
以下の書類などが法令上、年収を証明する書類として定められています。
①. 源泉徴収票
②. 給与明細書(直近2ヶ月分)
③. 確定申告書
④. 所得証明書
⑤. 年金通知書
収入証明書を提出してもらうことで、申込者の所得額を把握することができます。
信用情報に登録されている借入総額と照らし合わせることで「総量規制に抵触していないか?」「融資枠はどの程度あるのか?」について判断することができるようになります。
総量規制内でも融資の可否は審査次第
当然、貸金業者ごとに審査基準(与信判断)は異なります。
貸金業者は収入以外に「過去、現在の取引状況」「属性」などを考慮しながら審査をしています。
総量規制とは借入れできる上限金額を示すものであって、総量規制内だとしても、実際に借入れできることが約束されているわけではありません…「総量規制内までは借りられる!」といった間違った認識を持たないように注意しましょう。
総量規制の対象になる借入れとは?
ここでは、どういった借入れが総量規制の対象になるかをお話ししていきます。
消費者金融のキャッシング
前述しましたが、消費者金融は貸金業者です。
消費者金融のキャッシングを利用した場合は、総量規制の対象になります。
銀行で取扱っているカードローンは総量規制の対象にはなりません。
クレジットカードのキャッシング
クレジットカード会社も貸金業者の1つです。
クレジットカードのキャッシング枠を利用をした場合は、総量規制の対象となります。
ショッピング枠での利用分は総量規制の対象になりません。
個人事業者に対する貸付け
生活資金や教育資金などでキャッシングを利用する場合は、総量規制の対象となります。
事業用資金として利用する場合は場合は、事業実績、事業計画などから返済能力があると判断できれば、例外的(総量規制の例外貸付)に総量規制の対象になりません。
上限金額も特段の制約もなく利用することができます。
参考資料:総量規制が適用されない場合について|日本貸金業協会
総量規制の対象外になる借入れとは?
次に、総量規制の制限を受けない借入れについてお話ししていきます。
銀行カードローン
銀行や、信用金庫、信用組合、労働金庫などもさまざまな融資を行っていますが、これらは「貸金業者」ではないので、総量規制は適用されません。
ですが、これらの金融機関も「自主規制」を設けているので、返済能力を超えていると判断された場合はカードローンを利用することができません。
銀行カードローンが総量規制の適用外であっても、年収の3分の1を超える融資が審査に通るとは限らないので、注意が必要です。
住宅ローンや、マイカーローンなど
以下の場合は、総量規制の「除外貸付」に分類されているので、総量規制にかかわらず利用することができます。
・ 不動産購入のための貸付(住宅ローン)
・ 自動車購入のための貸付(マイカーローン)
・ 高額療養費のための貸付
・ 有価証券を担保とする貸付
・ 不動産を担保とする貸付(居宅などを除く)
・ 売買予定の不動産貸付
不動産ローンなどは日常的に利用するキャッシングとは異なり、返済期間が長くなることがほとんどです。そのようなことから、多重債務に陥る危険性が少ないと考えられているので、総量規制から除外されています。
おまとめローンや緊急の医療費のための貸付など
以下の場合は、利用者の利益の保護に繋がるので、総量規制の「例外貸付」に分類されています。
・ 顧客に一方的に有利になる借換え(金利の引下げなど)
・ 借入残高を段階的に減少させるための借換え
・ 緊急医療費の貸付
・ 社会通念上、緊急に必要と認められる費用を支払うための貸付(10万円以下、3ヶ月以内の返済などが要件)
・ 配偶者と合わせた年収3分の1以下の貸付(配偶者の同意が必要)
・ 個人事業者に対する貸付
・ 新規事業に必要な貸付
・ つなぎ資金に係る貸付
ただし、これらのケースに該当しているからといって、必ずしも審査に通るわけではないので、注意する必要があります。
まとめ
いかがでしたか?
それでは最後に「総量規制」のポイントをおさらいしましょう。
☑ キャッシングは「年収の1/3まで」しか利用することができない
☑ 貸金業者とは主に「消費者金融」※ 銀行、信金などは総量規制の適用外
☑ 住宅ローンやマイカーローンなどは総量規制の対象外
☑ 顧客が有利になる借換え、緊急医療費なども総量規制の対象外
初めてキャッシングを利用する人が、総量規制に抵触してしまうことはほとんどないと思います。
緊急時を除いて、「年収の1/3を超える」お金を借りようと思っている人は「本当にそのお金は必要なのか?」よく考えてから申込みするようにしてください。
・ いくらまで利用できるのか?
・ いくらまで利用するべきか?
・ そのお金は本当に必要なのか?
など、正しい知識を持っていれば、不測の事態に陥った時でも、冷静に対処することができるかもしれませんね!
もしも、借入れや返済のことでお悩みなら、日本貸金業協会に相談することができます。
☞ 相談窓口の業務について (貸金業相談・紛争解決センターのご案内)|日本貸金業協会
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クラポ札幌本店 今井 秀彦
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