すでに4社借り入れしている中…5社目として話を聞いてくれるキャッシングはあるの?
借入件数が4社を超えたあたりから、審査は厳しくなります。
例えば中小で有名な消費者金融のフタバも、「他社でのお借入は4社以内の方が対象です。」と明記していますね。
他社での借入状況は信用情報を見れば分かるので、信用のある人にしか融資を行わない大手では、5社目以降の審査はほぼ通過できないでしょう。

システムの基準に組み込まれていて自動で否決します。
しかし中小の消費者金融や地域密着の街金には、柔軟な審査で対応してくれる会社が存在します。
本記事では、日本における多重債務者の現状・多重債務に陥る経緯・融資実績のある会社・債務整理の選択肢など、役に立つ情報をわかりやすく解説します。
多重債務者は日本にどのくらいいる?
消費者金融を利用すると、JICC(日本信用情報機構)という信用情報機関に借入・返済・申込みに関する情報が記録されます。
2024年12月の調査によると、「貸金業者からの無担保・無保証の借入が3件以上ある人」は約150万人、そのうち5件以上は約15万人というデータがあります。
| 借入件数 | 登録人数 |
|---|---|
| 1件借入 | 679.2万人 |
| 2件借入 | 243.8万人 |
| 3件借入 | 98.9万人 |
| 4件借入 | 37.1万人 |
| 5件借入 | 14.9万人 |
| 合計 | 1,074.2万人 |
- 合計で1,000万人以上が消費者金融を利用していること
- その中の1.5割(150万人)程は3社以上から借入していること
などが分かりますね。
多重債務に陥る理由|なぜ多重債務者になってしまう?
人はなぜ、多重債務に陥ってしまうのでしょうか?
消費者金融の社員である筆者の経験を元に、はじめてお金を借りてから多重債務に陥り債務整理を検討するに至るまでの流れを8段階でまとめました。
初回借入〜多重債務〜債務整理検討までの8段階
- 1.生活がギリギリで消費者金融を初めて利用
- 予期せぬ出費で家計が赤字化。リボ払いや少額の借入で埋める。
- 2.返済比率の上昇
- 毎月の返済(元利+手数料)が固定費に。生活費を圧迫し貯蓄は底をつく。
- 3.追加で借入
- 「あと少し」をリボ増額・カード2枚目・消費者金融1社目で補う。元本はあまり減らない。
- 4.返済のための借入(自転車操業)の開始
- 返済資金を別口から調達。借入件数が2→3→4社へと増える。
- 5.延滞・遅延損害金の発生
- 返済期日が守れず延滞。利息より高い遅延損害金が膨らみ残高が膨張。
- 6.信用低下・借入が困難
- 延滞中の支払いが増え、新規の借入が困難に。自転車操業が回らなくなる。
- 7.家計崩壊
- 督促が増え、精神的な負荷も大きくなり判断力が低下。電話にも出ないようになり、状況説明も遅れる。
- 8.債務整理を検討
- 毎月の給料を全額返済に当てても1年では返せないくらい借金が膨らむ。返済しても元本が減らないことに絶望し債務整理を検討。
初回借入⇒多重債務⇒債務整理(自己破産・任意整理)検討までの流れは、こんな感じです。
多くの方が「返済しているのに、元本(最初に借りたお金)が思っていたよりも減っていない」と口にしますので、少しそこも解説します。
返済しているつもりが減っていない?利息の知識を解説
借入したものの、利息や返済の仕組みをよく理解しておらず、お金を返していたつもりが元金はほとんど減っていないということはよくあります。
例えば、50万円を毎月12,000円ずつ実質年率18%・元利均等返済で借りた場合の初月の利息は7,500円、10ヶ月目の利息は6,855円です。
元利均等返済
毎月決まった額を支払い続ける返済方法。返済初期は利息の割合が大きく、返済を続けるに従って元金充当の割合が大きくなる。

1社なら利息は7,000円ほどですが、50万円を3社から借りていたら利息だけで毎月2万円を超えます。
順調に返していればいいですが、多重債務に陥る人の特徴として、
- 返済する
- 枠が増える
- 新たにその枠を利用して借りる
- 返済する
を繰り返すため、結局利息負担もなかなか減らないのです。実際、新たな枠を利用して借りなかったとしても1万2,000円を1年間返し続けた(14,4000円返済した)ときの元本は441,314円で58,686円しか減っていないのです!

元本の減りは定期的に確認しましょう。
多重債務に陥る人が抱えるリアルな悩み|判断力も鈍らせる
多重債務に陥っている方は、【金銭面】と【精神面】の両方で大きな悩みを抱えています。
金銭的な悩み
毎月の返済額が収入を大きく超えてしまい、新たな借り入れでそのときをしのぐ「自転車操業」に陥ります。
利息(通常18%)や遅延損害金(利率20%)が膨らみ、元本がほとんど減らないことも多いです。
未払いの利息や遅延損害金が発生している間は、お金を返したとしても元本は全く減りません。
言ってしまえば、金融会社に「遅れてごめんなさい」の謝罪料を払っているようなもので、元本の返済にすら届いていないこともあります。
今の自分の返済状況を質問したり、返済スケジュールをマメに相談することは重要です。
精神的な悩み
お金の悩みは人の判断力を大きく鈍らせます。
「返せない」という現実が常に頭から離れず、仕事や生活にも支障をきたす。夜眠れない、食欲が落ちるなど健康被害も出やすいです。
督促の電話や郵便物で家族に知られるのではないか、勤務先に連絡がいくのではないかという不安を抱えます。
「自分はダメだ」と自責の念を強め、誰にも相談できず孤立してしまう方もいます。
「いくら払っても減らない」「一生返せないのでは」と絶望感を抱き、仕事や家庭への意欲も失いやすいです。
大手消費者金融は難しいが中小・街金なら可能性あり
ここからは、「3,4社借り入れしてるけど、5社目の借入をしたい!」という方に向けて具体的な方法や会社、注意点を解説します。
大手はほぼ不可能
まず、テレビCMでも見るようなアコム・プロミス・アイフル・レイクALSA・SMBCモビットなどの大手消費者金融カードローンは、ご存知の通りほぼ審査に通りません。
大手は大量の申込みの中から信用のある人を厳選し、大きなお金を貸します。
なので、審査は厳しいです。落とす審査をします。
厳しく審査して落ちる人が大量にいても問題ないくらいの申込みが来るからです。
スコアリングシステムという仕組みを採用して、信用情報に事故登録があったり、多重債務中の方は自動審査で落としています。
なので、すでに3,4社借り入れていて5社目を検討しているような人には融資を行わないのが普通です。
コラム|多重債務は金融ブラック?
金融ブラックと聞くと、債務整理や延滞をイメージされる方も多いと思いますが、信用情報に基づく審査で落ちやすくなっている状態を金融ブラックと呼ぶなら多重債務もある種の金融ブラックです。ブラックリストという名前のリストがあるわけではありませんので。
審査が柔軟な中小・街金なら可能性あり
一方中小消費者金融は、大手に対して「拾う審査」をします。
「せっかく申し込んでくれたのだからできることなら貸してあげたい。」
というスタンスです。

もちろん、以下のようなケースは審査に通りません。
中小消費者金融の審査に通らない人の特徴
- 明らかに返済能力がない(無職)
- 延滞中の支払いがある(信用情報を参照して発覚)
- 人間性(態度・口調・誠実性)が明らかに悪い
- 総量規制に該当している
中小・街金の審査で重要なのは、返済能力と誠実性を示すことです。
複数社から借入がある場合でも、返済できる根拠を示せれば、5万円など少額からでも貸してくれる場合があります。
そこで着実に実績を踏んで枠を増やしましょう。
お財布の状況や返済スケジュールを相談できる会社を1つ作るのは重要です。

店舗にいって実際の残高などを照らし合わせるのもおすすめです。
延滞中の支払いには厳しい
中小・街金でも、どの会社でも共通して言えるのは、延滞している支払いがある場合には厳しいということです。
「延滞している」=「返済能力がない」ということなので、直近の延滞の記録(1年はすべて記録される)を整理してから申し込むようにしましょう。
総量規制に該当する場合は融資を行わない

貸金業者は総量規制を守らなければいけません。なので、申込者の借入残高がその人の年収の1/3を超える場合、無担保での融資は行いません。
4・5社目として利用できる可能性のある中小消費者金融5選
それでは、「複数社から借入していても融資を受けられた!」という実績のある消費者金融を5つ紹介します。

借りられる額ではなく返済できる額を借りましょう。
セントラル|WEB完結・無利息期間あり・ATM対応
セントラルは愛媛県発祥で全国に17店舗を展開する中堅の消費者金融です。

大手の次に来る消費者金融としてはとてもおすすめです。
柔軟な審査に定評があり、過去に自己破産を経験した人が「破産1年後でも10万円借りられた」という口コミや、「他社で断られたけどセントラルで審査に通った」という口コミが目立ちます。
セントラルの魅力
セントラルは利便性・お得感どちらの観点でも優良の会社です。
実質年率4.8%~18.0%・初回利用者に最大30日間の無利息サービスは大手と同等の水準です。
平日14時までの申込みで、Web完結で最短即日融資を受けられるのも中小では珍しいでしょう。
また、セブン銀行ATMと提携しているので、希望者は『セントラルCカード』を発行すれば、大手と同じように土日祝日・早朝深夜も借入・返済ができます。
アロー|アプリならWEB完結!
アローは中小の中でも利便性に優れた消費者金融です。
店舗はありませんが、スマホやPCからの申込みに特化しており、アプリならWEB完結・郵送物無しで申込みから借入まで行えます。
総量規制内で返済能力が認められれば、他社借入が複数あっても相談OKのスタンスですが、延滞中の支払いがある場合は申込みができません。
アローの特徴
アプリからWEB完結は最大の特徴と言えるでしょう。
10万円未満の借入時、実質年率14.95~19.94%とやや高めですが、元金が少ないので気にならないでしょう。
HPやバナーからは審査時間最短45分・即日融資対応とありますが、実際は2〜3日かかることが多いようです。ただし、郵送物がない分、郵送物or来店のみ対応の会社と比較すれば1~2日着金は早いでしょう。
在籍確認について「原則として勤務先への在籍不要」というのは在籍確認がないというわけでなく、在籍確認を行う際に職場にいなくてもよい(=別の人が電話をとっても良い)という意味です。
フクホー|コンビニ契約で最短即日融資
フクホーは大阪に本社を置く老舗の中小消費者金融です。
他社借入がある4~5社ある状態でも収入や返済能力次第で融資を受けられる可能性があります。過去に自己破産・個人再生・任意整理・延滞などの事故歴がある方にも現状の収入と返済状況に応じて柔軟に審査することで知られています。
フクホーの特徴
フクホーはコンビニ契約の場合、最短即日融資が可能です。
フクホーで即日融資を利用する流れ
- WEB申込み
- 1次審査(信用情報・申告内容に基づく審査):最短30分程度
- 書類審査・電話ヒアリング等
- 在籍確認
- 契約書類を受け取るためのメールを受取
- セブンイレブンのマルチコピーにメール記載の受付番号入力
- 契約書類一式を入手
- 契約書類を記入
- FAXで書類を提出
- 最短即日融資実行
実質年率は7.3%~18%と記載がありますが、アローと同様10万円未満の少額融資の場合は20%が適用される点には注意が必要です。
クラポ|地域密着型ならではの柔軟な審査

筆者の勤めている会社です!
クラポは北海道・関東全域で利用できる地域密着型の消費者金融です。
北海道(札幌・苫小牧・旭川)と関東(土浦)に店舗があります。
クラポの特徴
実質年率は7.3%〜18.0%と10万円未満の場合も大手と同様の水準です。
明るい店内で女性スタッフも多数在籍しており、親しみやすさと対面で懇切丁寧な対応が強みです。
クラポカードを利用して、全国のセブン銀行ATMから借入・返済が可能です。
平日・来店時のみ即日融資も可能ですが、Web申込み⇒郵送契約の場合、2~4日程度、融資実行までに時間がかかります。
過去に金融事故があっても、手続完了から1年以上が経過し安定した収入があれば、審査相談に乗るなど、返済能力の有無をヒアリングを重視して丁寧に見極める方針です。
多重債務の方からの申込みも多く、柔軟に対応しております。

ニチデン

ニチデンは中小消費者金融の中でも最短10分という業界トップクラスのスピード審査が魅力の大阪の消費者金融です。
大阪と奈良の2社体制で運営されており、関西エリアに密着した柔軟な対応を行っています。
「関西方面のほうが審査に通りやすい?」などの口コミもありますが、これは当然と言えます。

店舗に近いエリアなら回収やコミュニケーションがしやすいです。
ニチデンの特徴
ニチデンは上限金利は18%付近と大手並の水準で、無利息期間は業界最大級の100日間用意されています。
FAXで契約書のやり取りを行い、15時までに完了すれば即日融資可能です。
借り過ぎに注意|債務整理の選択肢も考える
ここまで解説してきましたが、まずは
- 返済の仕組み(元利均等払い・リボ払いなど)を理解すること
- 現在の自分の返済状況(遅延損害金の有無・残高や返済中なら毎月の返済額に占める利息の割合など)を理解すること
- 現実的な返済スケジュールを立てること
が重要です。
そして、毎月使うのお金の総量をセーブし、入ってくるお金を増やす努力も必要です。
払えないから別のところから借りてきて返済に充てるというのは、「その場しのぎの解決策」です。
借り入れる金額が大きくなると、利息も膨らむので必ず限界を迎えます。
そんなときに考えるべき選択肢が「債務整理」です。
債務整理は、法的に借金を整理して生活再建を目指す手段で、弁護士や司法書士がサポートしてくれます。
ここでは主な3つの方法と、専門家へ相談するメリットを解説します。
3つの債務整理の方法
任意整理の概要
任意整理とは、裁判所を通さずに債権者と交渉して借金を減額する手続きです。
毎月の返済負担を軽くすることで、現実的な返済プランを立て直せるのが特徴です。
利息や遅延損害金をカットできる
元金を分割返済できる
裁判所を介さないため、比較的スムーズに進められる
基本的に任意整理の手続きは、弁護士や司法書士などの専門家を介して行います。
特殊なケースとして、親や親族など第三者が間に入って債権者と話し合いをする場合もあります。これは正式な任意整理というより、和解的な対応です。
民事再生
民事再生は、裁判所を通じて借金の大幅な減額を認めてもらう制度です。
借金が最大で1/5程度まで減額されるケースもある
自宅など一定の財産を残しながら手続き可能
安定した収入がある人が対象
住宅ローンを抱えている方や、借金額が大きすぎて任意整理では追いつかない方に適しています。
自己破産の概要
自己破産は、借金の返済が不可能と判断された場合に、裁判所の決定で支払い義務を免除してもらう制度です。
借金をゼロにできる
生活必需品を除き、一定の財産は処分される
官報に掲載されるなどデメリットもある
再スタートのための最後の手段と位置づけられる制度です。
ただし、生活必需品を除き、住宅・土地・自動車・バイク・骨董品・貴金属など、生活必需品以外で価値があると判断される資産は売却され、債権者への返済(配当)に充てられます。
債務整理のメリット・デメリット
債務整理を行うと、信用情報に事故登録がされるため5~10年は新たにクレジットカードを作ったり、ローンを組んだりすること難しくなります。
一方で、返せる見込みのない借金に漠然とした不安を常に抱えながら生活するのをやめ、新たなスタートを切る機会になります。
例えば、300万円の借金があり遅延損害金も既に50万円あるけど、毎月その会社に支払えるのは最大でも8万円程度という場合。
これは債務整理を検討するべきでしょう。
自分の手取りを1年間返しても返済を終えられない場合は、債務整理を行うほうが良いといえます。
遅延損害金は元金への充当が始まるまで加算されるので、毎月5万円返したとしても10ヶ月で遅延損害金が払い切れるわけではありません。
加えて、その間は全く借金は減っていません。
その場合は、任意整理をして、例えば、「300万円と現在発生している遅延損害金を合計した金額、例えば、350万円を毎月8万円ずつ◯年で分割で返済してください。」のようなやり取りが考えられます。
350万円を真面目に払っている限り、今後生じる利息や遅延損害金をカットできるので、350万円を返済すれば借金がなくなるということになります。
漠然とした不安を抱えながら、遅延損害金を支払っている状況よりは明らかに前進しています。
債務整理については、債務者・債権者・士業・裁判所などが連携して進める手続きのためケースバイケースですが、債務整理も検討してみましょう。











