信用情報機関の情報っていつまで載るの? 貸金業者はそれをどのように活用するのかを解説します。
こんにちは、クラポ札幌本店の齊藤です。
みなさんは「信用情報」「信用情報機関」という言葉を聞いたことがありますか?
貸金業を営む者は必ず信用情報機関を利用することが義務付けられています。
「キャッシング」「カードローン」を利用したことがある方は申込みの際、信用情報の取扱いと信用情報機関の利用について説明を受けてから同意の確認をされていますが記憶にありますか?
今回は、信用情報と信用情報機関について詳しく解説していきます。
意外に知らない…信用情報ってなに?
信用情報とは、信用情報機関に登録された個人の信用取引に関する客観的な取引事実のことです。
「ん?何のことかいまいち理解できない…」ってなりますよね?
簡単に言うとキャッシングやカードローンの契約・申込みに関する個人情報のことです。
個人を特定する情報として「氏名」「生年月日」「住所」「勤務先」なども登録されています。
利用履歴として「契約内容」「借入残高」「返済状況」などの情報も信用情報に含まれます。
指定信用情報機関制度とは?
2006年に多重債務が問題になり貸金業法が改正されています。
指定信用情報機関制度とは、個人の借入総額が年収の3分の1までに制限される「総量規制」の実施に伴い、貸金業者が顧客の総借入残高を把握するために創設された制度です。
これも何だか難しいですよね!
要するに貸金業者は、融資の審査をする際に「必ず指定信用情報機関の情報を見て判断しなさい!」ってことです。
※ 指定信用情報機関とは、貸金業法で定められた一定の要件を満たし、内閣総理大臣の指定を受けた信用情報機関のことをいいます。
信用情報機関は3社!
内閣総理大臣の指定を受けた信用情報機関は3社あります。
では、実際どのような信用情報機関があるのかを解説していきます。
株式会社 日本信用情報機構
JICC(Japan Credit Informatino Reference Center Corp)
JICCは、テラネットやCCBといった複数の信用情報機関を統合しながら現在の形になった機関です。
その加盟会員のうち約6割を消費者金融などのキャッシング会社が占めています。
ですから、JICCは「消費者金融系情報機関」と呼ばれることもあります。
当社もこちらの加盟会員です。
☟ 株式会社日本信用情報機構
https://www.jicc.co.jp/
株式会社シー・アイ・シー
CIC(Credit Information Center)
クレジットカード会社の共同出資によって設立された信用情報機関です。
そのため、クレジットカード会社の加盟率が非常に高くなっています。
ですから、CICは「信販会社系情報機関」と呼ばれることもあります。
☟ 株式会社CIC
https://www.cic.co.jp/index.html
全国銀行個人信用情報センター
JBAやKSCと呼ばれることもあります。
JBAとは全国銀行協会の略称です。
KSCが全国銀行個人信用情報センターの略称です。
JBA自体はCICやJICCと異なり個人情報を取り扱うだけでなく、銀行業務の円滑化、適正な消費者取引などのサポートを行っています。
KSCはその中で個人情報を取り扱う部署のような存在というわけです。
銀行(メガバンク・地方銀行・ネット銀行・信用金庫・信用組合)が加盟しており、加入条件が最も厳しい情報機関です。
JBAによって運営されているので「銀行系信用情報機関」と呼ばれることもあります。
☟ 全国銀行個人信用情報センター
https://www.zenginkyo.or.jp/
どのような情報を共有している?
それぞれの信用情報機関が保有している情報は必ずしも同じではありません。
ですが、CRIN(クリン・Credit Information Network)というネットワークを通じて一部の情報を共有しています。
CRINでは「氏名」「電話番号」といった個人情報のほか、「契約日」「契約金額」といった契約内容、「返済状況」「金融事故の情報」、さらに「身分証紛失」などの申告内容も共有しています。
どのような情報がいつまで登録されているの?
各信用情報機関で登録されている内容やその情報の登録期間にも違いがあります。
ここでは、共有している情報や過去に金融事故があった場合など、その情報がいつまで登録されているのかを詳しく解説します。
本人を特定するための情報
【内 容】
□ 氏名
□ 生年月日
□ 性別
□ 住所
□ 電話番号
□ 勤務先
□ 勤務先電話番号
□ 運転免許証等の記号番号など
【登録期間】
□ 契約内容に関する情報などが登録されている期間
契約内容に関する情報
【内 容】
□ 契約の種類
□ 契約日
□ 貸付日
□ 契約金額
□ 貸付金額
□ 保証額など
【登録期間】
□ 契約継続中及び契約終了後5年
返済状況に関する情報
【内 容】
□ 入金日
□ 入金予定日
□ 残高金額
□ 完済日
□ 延滞など
【登録期間】
□ 契約継続中及び契約終了後5年
取引事実に関する情報
【内 容】
□ 債権回収
□ 債務整理
□ 保証履行
□ 強制解約
□ 破産申立
□ 債権譲渡など
【登録期間】
□ 契約継続中及び契約終了後5年
※ 但し、債権譲渡の事実に係る情報については、当該事実の発生日から1年
※ KSCは一部10年
申込みに関する情報
【内 容】
□ 本人を特定する情報(氏名・生年月日・電話番号及び運転免許証などの記号番号)その他にも申込日及び申込商品種別など
【登録期間】
□ 照会日から6ヵ月
その他の情報
【内 容】
□ 電話帳に記載された情報
□ 電話帳に記載された氏名・電話番号などの情報
【登録期間】
□ 電話帳に掲載されている期間
※ 掲載を取り止めた場合は、更新されるまで
本人申告コメント情報
【内 容】
□ ご本人から申告された本人確認書類の紛失・盗難などの情報
【登録期間】
□ 登録日から5年以内
※ ご本人から削除依頼があった場合は、その時点まで
貸付自粛依頼情報
【内 容】
□ 日本貸金業協会または全国銀行個人信用情報センターに貸付自粛依頼を申し入れたことを表す情報
【登録期間】
□ 申請日から5年以内
※ ご本人などから削除依頼があった場合は、その時点まで
項目 | 内容 | JICC | CIC | KSC |
契約に関する情報 | ・契約の種類 ・契約日 ・貸付日 ・契約金額 ・貸付金額など… |
5年 | 5年 | 5年 |
返済状況に関する情報 | ・入金日 ・入金予定日 ・残高金額 ・完済日 ・延滞など… |
5年 | 5年 | 5年 |
自己破産 | ・自己破産の情報など… | 5年 | 5年 | 10年 |
債務整理 | ・債務整理の情報など… | 5年 | - | - |
個人再生 | ・個人再生の情報など… | 5年 | - | 10年 |
貸金業者は信用情報をどのように活用する?
キャッシング・カードローンなど、新規申込みを受けた貸金業者は加盟している信用情報機関に対して信用情報の照会を行います。
取得した信用情報を基に、各社で「法定審査」や「独自審査」を行います。
☟「法定審査」と「独自審査」の詳しい解説はこちら
https://curapo.com/cashing-blog/2021_05_18/
貸金業者が注目するポイントは?
【直近での申込み件数】
□ 直近で何件も申込みをしている場合は、何らかの問題があるような印象を与えます。
□ 申込みが多いということは、申込者の信用度が低いという印象を与えます。
【借入件数と総額】
□ 総量規制(収入の1/3までしか借入が出できない)に抵触していないかを確認します。
□ 借入が増えているのか?減っているのか?を確認しています。
【返済状況】
□ 遅れなく返済されているか?どのくらいの期間、取引をしているか?などを確認しています。
【金融事故の有・無】
□ 自己破産
□ 債務整理
□ 個人再生
□ 長期延滞など
不安や疑問がある場合は自分の信用情報を調べよう!
「急にお金が必要でキャッシングの申込みをしたけど断られた…」
「住宅ローンがまったく通らない…」
「マイカーローンの申込みをしたけど断れた…」
などの経験をしたことはありませんか?
もしかすると、ご自身が忘れてしまっている過去の取引で何か問題がある可能性も考えられます。
例えば…
①. 若い頃に借りたお金を当時払えなくなって放置したままになっている。
✓ この場合は金融事故(長期延滞)として登録されています。
②. 過去に債務整理または自己破産手続きをしていたが、その際に借入をしていた会社が廃業や倒産、合併などをしていた。
✓ この場合は貸金業者側が、登録の取り消しを行っていなかったり、退会の手続きを行っていない場合があります。
③. 知人に頼まれて自分名義で借入をして返済は知人に任せていた。
✓ 俗にいう名義貸しです。知人が約束通りキチンと返済していなければ、金融事故の登録がされている場合があります。
④. 過去に運転免許証や保険証が入っていた財布を落としてしまい、警察に紛失届を出したことがある。
✓ 反社会的勢力の者に拾われたりした場合、本人と偽り悪用されて金融事故の登録がされている場合もあります。
上記以外でも、様々なことが原因で信用情報に金融事故の登録が残っているケースがあります。
思い当たる方は、ご自身の信用情報を一度確認してみることをお勧めします!
開示請求の方法と手数料
昔は郵送で何回もやり取りをして取り寄せる方法しかありませんでしたが、今ではスマートフォンなどで簡単に開示請求ができます。
JICC | CIC | KSC | |
請求方法 | ・オンライン ・開示窓口 ・郵送 |
・オンライン ・開示窓口 ・郵送 |
・郵送のみ |
手数料 | ・オンライン□1,000円 ・開示窓口□500円 ・郵送□1,000円 |
・オンライン□1,000円 ・開示窓口□500円 ・郵送□1,000円 |
・郵送□1,000円 |
※ JICCのオンラインはPC・スマートフォン
※ CICはスマートフォン
【参考例】
◆ JICCのスマートフォン開示方法
①. 専用アプリをダウンロード
✓ iPhoneであれば、App Store
✓ Androidであれば、Google Play
「JICC」と検索し「スマートフォン開示申込み」アプリをダウンロード
➁. 必要事項の入力
✓ パスワードの発行・入力
✓ 氏名・生年月日・現住所など必要項目を入力
③. 本人確認書類の撮影
✓ 撮影後にその画像を送信
④. 開示手数料のお支払い
✓ クレジットカード払い
※ 支払手数料は不要
✓ オンライン収納代行
※ 別途、支払手数料が必要
⑤. JICCから開示結果(信用情報記録開示書)が郵送で届く
※ JICC・CIC・KSCそれぞれ開示請求の方法が異なります。
※ 詳しくは各情報機関のHPを参照のうえ、ご自身にあった開示手続きを行ってください。
開示請求の利点
ご自分のクレジットヒストリーがどうなっているのか知っておくことは重要なことだと思います。
開示請求の手続きから実際に開示されるまである程度の時間を要します。
あらかじめ準備しておくことで急な入用にも対応できますし、住宅ローンなど高額なローン契約の場合は信用情報はかなり重要視されます。
疑問や不安を解消したうえで、安心して申込みするのが一番ですね!
開示請求をする場合は、信用情報機関1社だけでなく、JICC・CIC・KSCすべてに請求することをお勧めします!
まとめ
信用情報の重要性と貸金業者が信用情報をどのように取り扱い、信用情報のどの部分を重要視し、審査に役立ているのかも分かりましたか?
信用情報機関は「JICC」「CIC」「KSC」の3社あります。
「銀行」「信販会社」「消費者金融」それぞれ加盟している情報機関は違います。
大手消費者金融などのテレビCMで「〇〇銀行グループ」とか聞いた覚えはありませんか?
銀行系の貸金業者ということは、すべての情報機関を利用できるということが必然的に分かりますよね!
また、信販会社の中には、CIC・JICC両方に加盟している会社がいくつもあります。
このことを踏まえると、貸金業者によってはより多くの情報を取得していて、場合によっては審査も厳しくなっているかもしれません…
ご自分のクレジットヒストリーをしっかりと把握し、キャッシングなどの申込みをする場合は、虚偽の申告などをせず、誠実に答えることが「信用」に繋がり、審査も通り易くなるはずです!
当社でもキャッシングやオートローンを取り扱っております。
お金以外でも、豊富な商品バリエーションでお客さまの暮らしをサポートしています!
※ 興味のある方は、画像をクリック!
お電話でもご対応できますので、お気軽にお問い合わせください!
スタッフ一同、お待ちしております。
クラポ札幌本店 店長 斎藤 玲
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