「中小企業の経営者・小規模事業者」の方必見!資金調達の方法について融資実例を含め徹底解説。
こんにちは、クラポ札幌本店の齊藤です。
中小企業の経営者の中には
「急な支払いが重なり、今月の支払が厳しい…」
など、急に現金が必要になる時があると思います。
借入先として銀行から借りるのが金利の面でも一番です。
ですが、融資の決済が出るまで時間がかかります。
「必要な期限までに間に合わない…」
などの経験をされた方も多いのではないでしょうか?
このような場合、不動産をお持ちであれば、その不動産を担保に入れることで、銀行では難しい資金調達も、他の金融業者ではスムーズに融資を受けることができます。
今回は、不動産担保ローンについて当社の実例も含め、解説していきます。
不動産担保ローンについて知っておくこと
担保となるのは…
・ビル
・一戸建て住宅
・マンション、アパート
・別荘
・土地
などがあります。
不動産担保ローンを申込む場合、これらが自己所有であることが条件になります。
また、担保物件の情報(例えば、返済中なのか完済しているのか)などはかなり重要になります。
債務が残っている場合、その額のよっては融資額も大幅に減ってしまいます…
まずは、不動産担保ローンに必要な書類や知識について説明します。
登記簿謄本(登記事項証明書)
所有している物件の情報は登記簿謄本を取得すればすべてわかります。
登記簿謄本とは不動産登記を記した帳簿のことをいいます。
土地・建物に関する権利関係などを記録しています。
社会に公示するための行政上の制度で、この制度により記録されたものが、不動産登記簿という台帳にまとめられます。
この不動産登記簿を出力した用紙に法務局印が押印された公の証明書のことを「登記簿謄本」といいます。
昔からの名残で、登記簿謄本という名称の方が幅広く知られていますが、現在ではコンピューターで出力したものを「登記事項証明書」といいます。
なので、登記簿謄本=登記事項証明書 と憶えておくと良いでしょう。
また、登記簿謄本は本人又は代理人以外取得できない公的書類とは違い、所有者など関係なく、誰でも調べたい物件や土地の情報を法務局で取得することができます。
抵当権・根抵当権
「抵当権」という言葉を聞いたことはありますか?
具体的には良くわからないという方も多いと思います…
抵当権とは、債務者又は第三者がその占有を債権者(抵当権者)に移さないまま、抵当権者が他の債権者に先立って、不動産などから自己の有する債権の弁済を受けることができる担保のことです。(民法369条1項)
なんだか難しいですよね…要するに、抵当権とは不動産などを担保に取っておくための権利のことです。
例えば、一戸建ての住宅を購入する場合、ほとんどの方が銀行などで住宅ローンを組むと思います…
ローンを組む時に融資をする側は、借りた人が返済できなくなることも想定して融資を行います。
保証として、その物件を担保に抵当権を付けます。
支払いが滞ると抵当権を行使されて、その物件を失った…なんてことも少なくありません。
抵当権には順位があります。
1番目から優先される仕組みになっています。
また、抵当権と似た権利で「根抵当権」というものもあります。
物件を担保にしているという点では同じですが、抵当権との違いは以下の通りです。
設定について
抵当権
・1つの借入に対して、1つの抵当を設定します。
根抵当権
・「極度額」と「債権の範囲」を定めます。その中であれば、何度でも融資を受けることが可能になります。
消滅について
抵当権
・完済されれば自動的に消滅します。
根抵当権
・当事者の合意が必要です。自動的に消滅しません。
弁済について
抵当権
・担保の原因となる債権の元本および最後の2年間分の利息・損害金について優先弁済を受けることができます。
根抵当権
・設定された極度額を上限に期限に関係なく、優先弁済が受けられます。
などの違いがあります。
・抵当権・根抵当権が付いていない
・担保設定が抹消されている
このような不動産をお持ちであれば、担保価値は高くなります。
抵当権・根抵当権の内容は登記簿謄本にすべて記載されています。
税金滞納の有・無
不動産をお持ちであれば、毎年必ず「固定資産税」と「都市計画税税金」がかかります。
両方とも毎年1月1日の時点で、所有者に対して一定額の金額が課税されます。
地方自治体で算出方法が異なっているので、詳しく知りたい方は物件所在地の地方自治体のホームページで、「固定資産税」と検索すれば詳しい内容を知ることができます。
不動産担保ローンの申込みをすると、必ず納付状況を聞かれます。
納税証明書の提出を求められることもあります。
場合によっては、過去分の提出を求められたりします。
固定資産税の滞納がある場合、申込みをする前に精算するか、正直に話して相談に乗ってもらうのが良いでしょう。
総量規制
総量規制とは貸金業法の改正で、2006年12月に新たに定められたルールです。
貸金業者から個人への借入限度額(貸付残高)を「年収の3分の1」までに制限するものです。
例えば、年収300万円の方はその3分の1に当たる100万円までしか借入ができなくなる制度です。
ですが、借入の目的によっては除外や例外といった措置もあります。
注意しなければならないのが、個人で不動産担保ローンを申込む場合、ご自宅を担保にすると総量規制が適用されるということです。
ご自宅に抵当権が付いてなく、資産価値があったとしても借入できる上限は年収の3分の1までに制限されてしまいます…
このようなことから、中小企業の経営者の方が資金調達のために融資を希望するのであれば、個人での申込みは避け、法人で申込みを検討された方が良いでしょう。
アパート・マンション経営をされていて、そのアパート・マンションを担保にする場合は総量規制は適用されません。
☟ 総量規制について詳しい知りたい方は、こちら
https://www.j-fsa.or.jp/association/money_lending/law/
不動産担保ローンのメリット
ここでは、不動産担保ローンにはどのようなメリットがあるのかについて解説します。
融資の限度額が大きい
担保にする不動産にもよりますが、無担保融資(フリーキャシング)などと比べると、借入できる金額は大きくなります。
無担保融資では一般的に融資額は1万円~300万円くらいが基本ですが、不動産担保ローンでは億単位での融資も可能な場合があります。
※ 担保の評価は金融機関よって異なるので、注意しましょう。
開業直後や事業期間が短くても借りることができる
開業資金や運転資金、設備投資など、資金調達の理由は様々です。
開業資金の場合、事業計画書の提出はほぼ必須です。
起業して数年しか経っていない場合などは、決算書の他に試算表の提出を依頼されたりします。
これらの方々が資金調達をするためのハードルは非常に高く、無担保で融資を受けるのが難しいのが現状です。
ですが、不動産担保ローンであれば、経営者の信用力と担保価値によって判断されるので、資金調達できる可能性が大幅にUPします。
資金用途が自由(他社のおまとめも可能)
不動産担保ローンは資金用途の縛りを受けることがありません。
例えば、経営者の方が個人で複数の金融機関からキャッシングやカードローンを利用している場合、不動産担保ローンを利用すれば、これらの借財を纏められる額で融資を受けることもできます。
その場合、これらの借財を完済してローンを1本化することができます。
月々の返済額が軽減されたり、返済の管理が楽になるなどのメリットがあります。
不動産担保ローンのデメリット
不動産担保ローンのメリットについてはご理解いただけましたか?メリットがあれば当然、デメリットもあります…
ここでは、どのようなデメリットがあるのかについて解説します。
返済が滞れば不動産を失う
最大のデメリットはこれです…
不動産を担保にお金を借りているので、債権者は抵当権や根抵当権の権利を行使して回収を行います。
担保を売却して得たお金を借入残高に充当させることになります。
売却方法として「任意売却」と「競売」の2つがあります。
任意売却
・返済ができなくなった債務者が債権者と相談した上で、双方合意の下で担保を売却する方法
・市場で売却するので、裁判所などが介入することはない
競売
・「返済意思もない」「連絡・相談もない」など、債権者が任意での話し合いが難しいと判断した場合、裁判所を通じて強制的に担保を売却する方法
任意売却と競売の違いとは?
任意売却の場合
・市場価格での売却が可能
・一般的な売却方法なので、返済などのトラブルによる売却だと知られることは、ほぼ無い
・売却額によっては完済することができて、引越し費用くらいは手元に残る場合がある
競売の場合
・市場価格の70%前後の売却額になってしまう
・新聞・ネットなどでも公示されるので、返済などのトラブルがあったことが広く知れ渡る
・競売で売却すると、完済することができない場合が多い
このような違いがあります。
明らかに任意で売却した方が得策だというのがわかります。
毎月の返済が遅れがちになったり、返済が滞ることになるのがわかっている場合などは一度、担保の売却について債権者に相談してみることが大切です。
☟ 任意売却・競売について詳しく知りたい方は、こちら
https://www.963281.or.jp/what/comparison/
審査~融資までに時間が掛かる
キャッシングやカードローンなどは「スピード審査」「即日融資」などのサービスがあります。
不動産担保ローンの場合は融資までに最短でも1週間程度かかるのが一般的です。
融資希望額が大きいと求められる書類も多くなります。
提供する担保が融資希望額に似合った価値があるのかを評価する必要があるからです。
諸費用がかかる
無担保ローン(キャシング・カードローン)とは違い諸費用がかかります。
不動産を担保に契約をするには、登記の内容を変更する必要があります。
登記の変更手続きの多くは「司法書士」に立ち会ってもらいます。
主な諸費用の内訳は
・印紙代
・必要書類(法人登記簿謄本・印鑑証明書・住民票)
・司法書士費用(根抵当権設定・抹消費用、登記立会費用・各種書類の取得費用、印紙代)
・火災保険料
などです。
融資額によっても変動しますが、概ね5万円~15万円程度です。
税金滞納があった場合などは遡った金額を加算するので、費用が20万円~50万円前後になる場合もあります。
諸費用は現金で用意しておかなければならない場合もあるので、注意してください。
審査~契約までに必要な書類とは?
前述の通り、不動産担保ローンは審査~契約まで、どうしても時間を要します。
少しでも短くするために、必要な書類をあらかじめ用意しておくと良いでしょう。
実際に、どの様な書類が必要なのでしょうか?
申込~審査で必要とされる書類
・本人確認書類(運転免許証・保険証・パスポート等)
・収入証明書(源泉徴収票・所得証明書・確定申告書等)
・借入残高証明書(担保物件にローンが残っている場合)
・固定資産税評価証明書
・固定資産税納付を証明するもの
・商業登記簿謄本、決算書、事業計画書等(法人の場合)
・担保物件に関する書類(登記簿謄本、土地図面、建物図面、地積測量図等)
※ 必要書類の中には融資する側が取得して、諸費用として請求されることもあります。
契約時に必要とされる書類
・印鑑証明書(個人・法人)
・実印
・登記済権利証(登記識別情報通知)
☟ 詳しく知りたい方は、こちらもお読みください
【ビジネスローン】審査が通りやすくなる為の方法とは?
当然、審査に通らなければ契約はできません…
申込~審査で必要な書類は事前に用意しておくことをおすすめします。
不動産担保ローン融資実例
当社でも不動産担保ローンを取り扱っています。
主に、不動産売買業などの経営者の方が中古物件の買取資金としてご利用されています。
買取物件をリノベーション(新たな機能や価値を付け加える改装工事)をして、売却するまでの間だけご利用される方も多いです。
実際に当社が、融資した実例をご紹介いたします。
ケース①:A社様の場合
■ 融資希望額:800万円
■ 物件所在地:北海道北見市内
■ 物件内容 :土地・建物付の中古物件
■ 土 地 :宅地約87坪/雑種地約30坪/総坪数約117坪
■ 建 物 :築22年/木造亜鉛メッキ鋼板葺2階建(1階/約19坪・2階/約14坪)
建物の状態は良好で、内装リフォーム済みの物件です。
当社ではまず、物件所在地の坪単価を査定した上で、建物も査定して評価額を算出します。
今回は土地と建物で、約850万円の査定額が出ました。
査定額=融資可能額とはなりません…通常であれば、600万円前後が上限と判断するところですが、内装リフォーム済みがプラス査定となり、ご希望通り800万円の融資を実行することができました。
契約条件は下記の通りです。
・根抵当権(極度額)1,200万円
・法人代表者様が連帯保証人
・800万相応の火災保険加入
※ 契約後、3ヶ月で担保物件が売れて完済されました。
ケース②:B社様の場合
■ 融資希望額:1,000万円
■ 物件所在地:北海道札幌市西区
■ 物件内容 :土地・建物付の中古物件
■ 土 地 :約51坪
■ 建 物 :昭和54年新築、昭和62年増築/木造亜鉛メッキ鋼板葺2階建(1階/約18坪・2階/約14坪)
建物自体が古く、フルリフォームをする予定の物件です。
ケース①と同様に坪単価を査定した上で、建物も査定して評価額を算出します。
今回はリフォーム前の物件だったので、建物の評価額が0円になってしまいました。
ですが、土地だけで約920万円の査定額になりました。
通常であれば、600万円~700万円前後が上限と判断するところですが、フルリフォームが確約されていたので、市場での売却が可能と判断し、ご希望通り1,000万円の融資を実行することができました。
契約条件は下記の通りです。
・根抵当権(極度額)1,500万円
・法人代表者様が連帯保証人
・1,000万相応の火災保険加入
※ フルリフォーム完了後、5ヶ月で担保物件が売れて完済されました。
当社では資金調達など、中小企業向けの事業者ローンでもスピーディーに対応しております。
☟ 興味のある方は、こちらをクリック
http://bisisapo.com/
個人の方が不動産担保ローンを利用したい場合、前述の通りご自宅以外の不動産をお持ちであることが条件になってしまいます…
まずはお気軽にご相談ください。
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まとめ
いかかでしたか?
今回は当社の融資実例も挙げながら、不動産担保ローンについて詳しく解説しました。
不動産担保ローンは資金用途の縛りがなく、幅広いニーズに応えられる利便性の高いローンです。
ですが、返済が滞ってしまったら不動産を失うリスクがあることは憶えておきましょう。
「メリット」「デメリット」を理解して、無理のない返済計画を立てたうえで利用するのであれば、魅力的な金融商品だと思います。
不動産をお持ちで、資金調達など、融資を希望される方は不動産担保ローンを検討されてみてはいかがでしょうか?
クラポ札幌本店 店長 斎藤 玲
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