ローンの返済に遅れたら、漫画やドラマみたいな怖い取り立てはあるの?

「返済に遅れたら怖~い取り立てがあったりするの?」「もしも、返済が遅れちゃったらどうなっちゃうの?」「取り立ての実態を知りたい!」このような不安や疑問・興味をお持ちの方も多いのでは?消費者金融に従事する現役社員がローンの返済に遅れた場合、どのような取り立て方法があるかについてお話しします。

取り立てとは?

支払期限を過ぎても返済されない場合、ローン会社は借主に対して催促を始めます。この行為を一般的に「督促」や「取り立て」といいます。

・ 督促は、約束や義務を果たすように催促(催告)する
・ 取り立ては、強制的に取ることや催促して徴収する

という意味があります。「取り立て」という言葉を聞くと、怖いイメージを持たれる方も少なくないでしょう…多くの方が持ってるイメージについて、実際にはどうなのか?についてお話ししていきます。

 

 

漫画やドラマにあるような怖い取り立てはあるの?

漫画やドラマ・映画などで、怖い取り立てのシーンを観たことはありますよね?大声で脅したり、自宅玄関のドアを蹴とばしたり、直接暴力を加える…様々なシーンが思い浮かぶと思います。

過去に「クレサラ問題」が、社会問題化したことがあります。その頃は、金融会社が過剰に融資をして、多重債務者を生み出してしまうだけでなく、返済が遅れると社会的相当性を欠いた「厳しい取り立て」をしていました。自宅や勤務先に1日中ひっきりなしに電話がかかってきたり、実家や親族にまで取り立てに来ることもあったそうです…ただでさえ、お金が無くて精神的な苦痛を感じているのにさらに追い込まれるので、自殺者や失踪者が続出したそうです…その様なことから1983年に「貸金業規制法」が制定され、2006年には抜本改正が行われました。

このように法改正を経て令和を迎えた現在では、先述の様な取り立てを行うローン会社はもうありません。ただし、闇金業者は違法に融資をしているので、借りたら最後、返済が遅れでもしたら執拗な取り立てが待っているので、絶対に借りないこと!

 

 

もしも、怖い取り立てにあったらどうする?

あってはならないことですが、もしもの為に知っておきたいですよね!ここでは、いくつかの対処法をご紹介します。

警察へ通報

取り立ての際に「大声で脅迫された…」「暴力を振るわれた」etc…これらは刑法の「脅迫罪」や「暴行罪」に該当する行為です。また、玄関口であっても勝手に自宅に入る行為は「住居侵入罪」にも該当します。

貸金業法でも「取り立て行為の規制」に抵触します。話し合いをする場合、電話・訪問を問わず、会話の内容を録音しておくと良いでしょう。

弁護士などへ相談

前述のような違法な取り立てを受けた場合、専門家へ相談することも対処方法の一つです。速やかに取り立て行為を止めてくれたりします。返済についても、債務整理や自己破産etc…状況に応じた助言・提案もしてくれます。

金融庁のホームページでも相談事例やアドバイスなどが紹介されているので、興味のある方は参考にしてください。

☟ 金融庁:金融サービス利用者相談室
https://www.fsa.go.jp/receipt/soudansitu/advice04.html

 

 

督促(取り立て)の方法|消費者金融の場合

消費者金融の場合に限らず金融業者は、延滞する方にも様々な事情があることをよく理解していることを知っておく必要があります。

遅れることを前提として融資をする会社もありませんし、ほとんどの方は、遅れる前提でお金を借りたりしませんよね?なので、支払期限までに返済ができないと思った時点で、連絡・相談するようにしてください。納得できる事情であれば、ほとんどのローン会社は、その日(待てる範囲内)まで待ってくれるはずです。

ここでは、事前に連絡・相談が無い場合について、どのような方法で督促(取り立て)が行われているのかを消費者金融の場合としてお話しします。
※ 会社によって、方法が異なります。

電話による督促

支払期限までに入金の確認が取れず連絡がない場合、翌営業日には本人が指定した連絡先(携帯etc…)に連絡をします。入金の確認が取れた時点で、連絡が取れないままでも督促は停止します。連絡も返済もされない場合、連絡もしくは入金の確認が取れるまで、電話での督促は継続されます。

お金が無く、見通しも立たなかったりして連絡がしずらい場合でもこの時点で連絡をすれば相談にも乗ってくれますし、次にお話しするような督促に発展することもありません。知らない番号からの着信に出ない方も多いと思いますが、借入先の電話番号くらいは憶えておくと良いでしょう。

自ら連絡をしていなくても、着信があった時や折り返しの電話で話し合いができれば問題ありません。

通知による督促

電話による督促で一定期間連絡が取れない場合、自宅へ督促状が発送されます。ほとんどのローン会社は、封筒に社名を記載していないので、パッと見で督促状とは分からないかも知れません…何度か延滞した経験のある方は、その封筒の中身はある程度気づいているはずです。

封を開けずにゴミ箱に捨てるのではなく、督促の内容をしっかり確認するようにしましょう。延滞日数が浅い場合、督促状に記載されている担当部署に連絡をすることで、状況が悪化することはありません。

電話がしずらいとしても、この段階で連絡・相談することをオススメします。

勤務先への連絡

本人が指定した連絡先に数日間、異なる時間に連絡をしているのにも関わらず、連絡が取れない場合、やむを得ず勤務先へ連絡する場合があります。社名は開示しませんが、月に何度も個人の伝言依頼があったりすると、上司・同僚・部下の方も薄々感づくこともあるかも知れません…このような状況になる前に、必ず連絡・相談するようにしてください。

自宅への訪問

電話や通知で連絡するようにお願いしているにもかかわらず、事情を説明することなく放置していると、ローン会社は悪質である可能性が高いと判断し、自宅に訪問することがあります。訪問対象者は、月単位で延滞していることが多いです。

訪問の場合「残元金・未払利息・遅延損害金・利息」を含めた全額を請求されることがあります。契約書の約款には「期限の利益の喪失」という条項があります。分かりやすくいうと「会社に損害を与えたので、分割払いは認めません!」ということです。返済を放置している方のほとんどがこれに該当します。

訪問されてから返済相談のお願いしても「はい、そうですか」とはなりません…こうなる前に必ず連絡・相談するようにしましょう。

このように消費者金融では、段階を踏んで督促を行っています。もちろん、どの督促方法にも違法な取り立てはありません。上記以外の督促を受けた(親・兄弟への請求etc…)場合は、違法な取り立ても考えられるので、警察や弁護士などに相談してみても良いでしょう。

 

 

それでも放置し続けるとどうなる?

ここでは、前述の督促を受けたのにもかかわらず、それでも対処せず放置するとどうなるのか?についてお話しします。

信用情報機関への登録(事故情報)

3ヶ月以上延滞が続くと長期延滞者として扱われてしまい、信用情報機関に事故情報として登録されます。信用情報は、信用情報機関に加盟している「銀行・消費者金融・クレジットカード会社etc…」の金融機関やローン会社が利用しています。

事故情報が登録されていると、新たにローンを組むことや、新しいクレジットカードを発行してもらうことが出来なくなったりします。

延滞の事故情報は、最低でも5年消えることはありません…今はローンが組めなくてもいいと思っていても、将来にまで影響を及ぼすことになることは、デメリットでしかありません。

☟ 信用情報について詳しく知りたい方は、こちらをクリック
https://curapo.com/cashing-blog/2021_07_06/

法的措置

ローン会社が話し合いでの解決が困難であると判断した場合は、民事訴訟へと移行します。裁判所から自宅に訴状が内容証明郵便で届きます。おおよそ、1ヵ月後に期日が開かれます。被告(延滞者)は、訴状に対する自分の主張を書いて(答弁書)裁判所に提出することは出来ます。

原則として被告は、期日に出廷しなければなりません。
※ ただし、弁護士等の代理人がついている場合は、出頭が不要な場合があります。

期日の間でも支払い意思を示して、原告(ローン会社)に連絡・相談すれば、和解の話し合いをしてくれる会社も少なくありません。また、双方の主張によっては裁判所から和解を薦められることもあったりします。出廷もせず放置するとほぼ原告の主張通りの判決が出ます。

判決が出ると判決文に基づき強制的に給与や財産の差押えを受けることになってしまいます…このような一連の流れを「法的措置」といいます。

無視をし続けてもメリットは何もありません…裁判にまで発展してしまった場合は、ローン会社に対して誠心誠意対応することに努め、新たな信頼を得ることがポイントになります。

このようなことにならないよう、初期の段階で連絡・相談することが大切です。

 

 

返済に関してよくある質問

Q1. 返済できる日を伝えたら督促はしませんか?

A. ローン会社が了承すれば、約束した返済日までは督促はしません。ただし、いつまでも待ってくれる訳ではありません…極端な話し「半年後には払えます」と言っても、それをOKしてくれるローン会社は無いはずです。ローン会社によって異なりますが、待ってくれるのは長くても1ヶ月前後だと思います。「この日には、こういう理由でお金が入るので待って欲しいetc…」具体的な理由で相談すると、ローン会社も納得して待ってくれるはずです。

Q2. 返済額の相談には応じてくれる?

A. 絶対ではありませんが、返済額の相談に応じてくれる会社は多いです。基本額の返済が厳しい月は、事前に連絡して相談してみましょう。キャッシングなどは、契約内容にもよりますが、ほとんどのローン会社が利息以上の入金であれば応じてくれるはずです。極端に少額しか払えない場合は、その理由などの詳細を聴かれることもありますし、認めてくれない場合もあります。返済額の相談で注意しなければならない点は、毎月のように減額に応じてもらっていると支払いは楽になりますが、残高(元金)がいっこうに減らなくなってしまいます。結果的に返済総額が大きくなり、長い目で見るとお金の負担が大きくなるので注意が必要です。

Q3. 家族や勤務先にはバレることはありますか?

A. 電話や通知での督促の段階で、ローン会社が取引内容を開示することはありません。なぜなら、家族や勤務先へ、本人の同意なく取引内容を開示することが出来ないからです。ただし、督促の方法でもお話ししましたが、延滞しているのにローン会社に連絡をしなければ、携帯以外に自宅や勤務先に連絡が入ることがあります。いくら個人名での連絡といえど、察しが良い方は不審に思い色々調べてしまうものです…このようなことからも遅れる場合は、事前に連絡・相談するようにしましょう。

 

 

まとめ

今回の記事のポイントをおさらいします!

1.漫画やドラマ・映画のような怖い取り立ては、現在は行われていない
2.そのような行為をされた場合は、警察や弁護士などへ相談すること
3.督促(取り立て)の方法を理解して、手遅れになる前に借入先に連絡・相談すること
4.信用情報機関に事故情報が登録されると、新たなローンを組むことが難しくなる

いかがでしたか?現在では、“怖い”取り立てが無いことが分かったので、安心できますね!だからと言って借りたお金を連絡もせず、放置していいわけではありません…当然ですが、完済するまで返済は続きます…法的措置の内容でも分かる通り、返済を無視し続けることは、デメリットしか無いことを憶えておきましょう。

無理な借入をせず、計画性を持ってご利用することをオススメします。

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クラポ札幌東店 上岡

10数年接客業に携わり、様々な方々と接してきました。 貸金業務取扱主任者になった現在もお客様一人ひとりに寄り添って 暮らしのお悩みの解決に尽力しております。 今後もお客様目線の有益な情報発信と親しみやすい 対応を心がけていきます!